エンタープライズネットワーク

2019.12.11

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無線LAN担当の職業病

ネットワンシステムズ 第3応用技術部 丸田です。
Cisco製品を中心に、無線LAN製品を担当して8年目になります。

無線LAN製品を担当して、身に着いてしまったクセ、職業病のようなものがあります。それは行く先々で天井や壁を見上げ、無線LANのアクセスポイント(AP)やアンテナを探してしまうことです。ビジネス目的で訪問するお客様やメーカーのオフィスはもちろん、プライベートでも駅や空港、ショッピングモールの天井をちらっと見渡し、自分が担当するAPやアンテナがあると少しだけうれしくなります。


当社オフィスに設置されているCisco AP3800シリーズ

8年に渡って無線LANを担当してきて、Ciscoの製品やライバルメーカーの製品は一目で製品シリーズや型番、おおよその性能までわかるようになりました。
当社ネットワンシステムズは無線LANの設計や構築について、多くのナレッジがあり、私自身も今までに100件以上の案件に携わってきました。先輩方からナレッジを引き継いで、日々スキルを磨いている中でも、行く先々に設置されているAPやアンテナを見て、モデルの選択、設置台数や間隔、床からの高さなど条件に応じた設置方法など、新たな発見があったり、感心したりします。でも、ときには、少し進言したくなるようなAPの設置も目にします。

とりわけ、海外の無線LAN事情は新たな発見が多く、毎回ワクワクした気持ちにさせられます。

今年6月にCiscoのITイベントCisco Live!を訪問しました。今回はSan Diego Convention Centerでの開催です。このコンベンションセンターは、どこも天井が高く、目測で10mほどの高さがあります。Ciscoのイベントということもあり、どのようにAPが設置されているのかを気にして見上げたところ、高利得アンテナを使用して無線LANアクセスが提供されていました。この高利得アンテナは大型で目立ち、価格も安くないことから、日本国内ではあまり目にしません。
このような高利得アンテナを使うと、AP 1台あたりのカバーエリアを狭くする効果があります。高さのある天井面にAPを取り付けてしまうと、AP 1台あたりのカバレッジが広くなり過ぎ、AP同士で干渉が発生したりAP 1台あたりの端末接続台数が多くなりすぎることが懸念されます。
一般的な無線LANへの期待のひとつに、AP 1台で広いエリアをカバーすることがありますが、ここでは逆にAP 1台がカバーするエリアを狭くして、通信品質を確保する工夫が見られました。

おそらくAP3700シリーズとANT2513P4M-Nの組み合わせ

今年の夏休みはイギリス・ロンドンに行き、ある企業のオフィスを訪問しました。そこでも天井に設置されているAPが気になりました。
このオフィスは天井が高いゾーンと低いゾーンがあり、それぞれ違うアンテナが選択されていました。複雑性が増すため避けることも多いですが、状況に応じて複数のアンテナを使い分けることは、理にかなった無線LAN設計です。


ロンドンのオフィスに設置されていた2種類のAP
Cisco AP3700 + Hyper-locationアンテナ、AP3700 + ANT2566D4M-Rの組み合わせ
プライベートでの訪問のため、訪問先を詳しく紹介できません。写真は当社所有の検証機です。

このオフィスは最近建てられた建物で、外観も室内も、とても美しくデザインされています。このようなオフィスでAPやアンテナが目に見える状態で設置されていたことは、驚きとうれしさを感じました。なぜかというと、美しくデザインされたオフィスに無線LANを導入する場面では、APやアンテナが見える状態にあることを嫌い、利用者から見えないように天井板の上に設置することがあります。
しかし、無線LANを含む無線通信は、見通しがあることがとても重要です。天井板や照明器具などで見通しが遮られると、電波が減衰、反射等を起こして通信品質が低下してしまいます。このことから、美観も重要なことも理解したうえでも、無線LANを担当する者として、見えないように設置することは可能な限り避けたい設置パターンです。
これは想像ですが、このオフィスでも天井板の上に隠して設置することを検討したかもしれません。それでも、この最先端のオフィスで美観よりも通信品質が優先されたことは、担当としてうれしさを感じました。

このように、普段は提案していない設置パターンや固有の環境を目にして、今後担当する案件のより良い提案や設計に活かせないかと、思いを巡らせています。
こんな私の目線は、少し変わったモノの見かたかもしれません。しかし、身の回りで新たな発見ができることも、無線LAN担当の醍醐味のひとつです。今後も新たな気づきや発見をこの場で発信していこうと思っています。

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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