クラウド・仮想化

2019.09.26

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シームレスなハイブリッドクラウドの実現 -VMware HCX + VMware Cloud on AWS-

先進的な技術をいち早くサービスとして世に送り出し、利用者がそのメリットを享受可能にするパブリッククラウド。
対して、データ堅牢性の観点やカスタマイズ、遅延、セキュリティガバナンス等、オンプレミス環境が必要となる要件も様々存在し、そうした背景から、現在クラウド活用のトレンドはハイブリッドクラウドへと流れています。ハイブリッドクラウド構成の中で、パブリッククラウドとオンプレミス双方の特性を活かすには、両者間をシームレスに接続することが重要となってきます。そこで本記事では、VMware HCXとVMware Cloud on AWS(以下、VMC on AWS)によるシームレスなハイブリッドクラウドについてご紹介します。

VMware HCX

VMware HCXは、オンプレミスのvSphere仮想基盤と、パブリッククラウドのvSphereベースの仮想基盤を相互に接続し、オンプレミス-クラウド間で仮想マシンをvMotionで双方向に移行する機能や、オンプレミスのネットワークをクラウド側へL2延伸する機能を備えています。
L2延伸機能については通常のvSphereで使用されるvSS、vDSといった仮想スイッチのポートグループだけでなく、NSX-V、NSX-Tといったネットワーク仮想化製品の論理スイッチも延伸可能なため、vSphere上で利用される可能性のある幅広いL2ネットワークに対応しています。
また、その際のデータのやり取りには暗号化やWAN最適化機能を用いて、セキュアかつ帯域の消費を抑えた形でそれぞれの機能を実現可能です。
このVMware HCXによって、クラウド環境をオンプレミスの延長上にあるかのように扱うことが可能となり、それぞれ求められる要件によって柔軟な仮想マシンの配置とネットワーク接続が実現できます。

VMware Cloud on AWSとの接続

VMwareとAmazon AWSが提供するクラウドサービスである、VMC on AWS上でも先述のHCXを利用することが可能です。VMC on AWSのポータルサイトからSoftware-Defined Data Center(以下、SDDC)を作成後、アドオンとしてHCXの追加を選択すると、SDDC上のvSphere環境にHCX Manager仮想アプライアンスが展開され、各種設定が可能になります。オンプレミス側のHCXで使用するアクティベーションキーの生成も可能で、これを使用してオンプレミス側のHCX Managerを展開します。L2延伸や移行の機能は、それぞれHCX Managerとは別の仮想アプライアンスが個別にデプロイされ、サイト間で通信することで実現しており、下図のようなTCP/UDPポートを使用してお互いのサイトのHCX仮想アプライアンス同士が通信を行っています。

HCX Manager:HCXの設定、ステータス確認等管理機能を提供
HCX Interconnect:仮想マシン移行機能を提供
HCX Extension:サイト間のL2ネットワーク延伸機能を提供

機能の利用も非常にシンプルにできており、L2延伸機能であればExtend Networkから対象のL2セグメントを選択し、ゲートウェイアドレスを入力するのみとなっています。同じく仮想マシンの移行に関しても、移行対象の仮想マシンの選択と移行先の配置場所、ネットワーク、ストレージの選択など通常のvMotionの感覚で使用できます。


NSX-Tのオーバーレイトランスポートゾーン上の論理セグメントをL2延伸

 

ネイティブのAWSも活用

VMC on AWSのSDDC上で実行している仮想マシンは、AWSのクラウドを構成するインフラストラクチャー上で動作しており、ネイティブAWS環境のVPCとENI(Elastic Network Interface)で接続することで、AWS内部のネットワークによって高速にEC2インスタンスやS3、RDS、ELB、LambdaなどのAWSサービスにアクセスすることが可能となっています。これにより仮想マシンの移行、L2延伸に加えてネイティブなクラウドサービスとの高速なネットワークを使った連携も可能になり、データとワークロードの置き場所をセキュリティ、パフォーマンス、技術的要件などに合わせて最適に配置することができます。

 

まとめ

本記事ではVMware HCXとVMC on AWSを組み合わせたシームレスなハイブリッドクラウドについてご紹介いたしました。クラウドとオンプレミス双方の特性を活かすことのできるVMware HCXにご興味をもっていただければ幸いです。また、弊社では11月12日(火)から13日(水)にかけて行われるvFORUM 2019にてセッション、ブース展示、デモをご用意する予定ですので、是非ご登録の上会場まで足を運んでいただけますと幸いです。

vFORUM 2019
https://vforum.jp/tokyo/

弊社セッション紹介ページ
https://vforum.jp/tokyo/program/hybridcloud/HC439/

 

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。

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