ワークスタイル変革

2019.07.26

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クラウド指向のビデオ会議に必要なネットワークとは? 1/2

地球温暖化対策や最近の働き方改革でビデオ会議(TV会議とも言いますがここではビデオ会議とします)を導入するお客様が増えております。

今回は、ビデオ会議とネットワークの動向についてご紹介いたします。

ビデオ会議におけるネットワーク特性とは?

ビデオ会議のようなリアルタイム性の高いコミュニケーションでは、メールやWebブラウジングと異なるデータトラフィックの特性があります。具体的には、

  • 遅延に弱い → 遅延が大きいと通話の映像や音が遅れ、違和感の元となる
  • パケットロスに弱い → データ再送ができないため、ロス=映像や音が途切れてしまう
  • データ量が多い → 高画質の映像は大容量
  • データの流れが連続的 → 通信中は常にデータが送受信される

となります。つまり、“大容量のデータが連続的に送られるが損失や遅延に弱い “という特性があります。

ビデオ会議にもクラウド対応の波が

ビデオ会議の目的として、離れている拠点間の会議に利用することで物理的な移動を無くすとともに時間の有効活用が従来からありました。これに加え、働き方改革の柱の一つである多様な働き方を達成することを目的とした在宅勤務やモバイルワークでの活用があります。

この在宅勤務やモバイルワークの実現では、インターネットの活用が欠かせません。これまでのビデオ会議では、各拠点にあるビデオ会議用の機器は企業の閉域網を利用することが多く、接続も企業内に限られる傾向がありました。一方、在宅勤務やモバイルワークでは自宅、サテライトオフィス、外出先と様々な場所での利用が想定され、使用するデバイスもPCやスマートフォン、タブレットが主となります。社内と社外をシームレスにつなぎコミュニケーションを取るには、

  • インターネットの活用
  • さまざまなデバイスから会議に参加

が必要不可欠となり、インターネット上にある仮想会議室を活用することで簡単に実現できます。インターネット上にある仮想会議室は様々なクラウド事業者から提供されております。

また今後は、自社だけでなく他社とビデオ会議を活用し緊密なコミュニケーションをとる動きも進み、インターネット上にある仮想会議室の利用も拡大していくと想定されます。

※図1参照

※図1 デバイスフリー、場所フリーなコミュニケーション

インターネット活用を考慮したビデオ会議インフラとは?

ビデオ会議を社内の閉域網で使用する場合、極論ではビデオ会議端末だけで利用出来ますが、インターネット上にある仮想会議室を使用する場合は一般的には以下の機器が必要になります。

・ビデオ端末管理装置

・インターネット接続装置

ビデオ端末管理装置とインターネット接続装置はデータセンタなどに社内のインフラとして設置します。ビデオ端末管理装置はビデオ端末の番号管理や呼制御を担い、インターネット接続装置はインターネットからの不正侵入を防ぎつつセキュアなインターネット接続を実現します。

これまでのビデオ会議は、社内の閉域網内で利用することが多く、トラフィックも閉域網内に限定されていましたが、インターネット上にある仮想会議室を使用する場合、閉域網とインターネット回線の両方にトラフィックが流れ、このビデオトラフィックの通信量が問題となります。

※図2参照

※図2 インターネット上にある仮想会議室へのトラフィックの流れ

ビデオ会議のトラフィックの特性は、上で述べたとおり“大容量のデータが連続的に送られるが損失や遅延に弱い“であり、通話毎に大容量の通信が発生し、閉域網やインターネット回線帯域が消費されます。” 損失に弱い“という特性からビデオ会議のトラフィックに損失が生じるとビデオ通話の品質が劣化するため、閉域網やインターネット回線の帯域を十分に確保し、データの損失を防ぐ必要があります。

一方、ビデオ端末の導入規模の小さいユーザ様では、社内利用のみを想定し閉域網にビデオ端末を接続してプライベートIPアドレスを割りあてる構成や、フレッツ回線などをビデオ端末毎に引き、ビデオ端末にインターネットを直収しグローバルIPアドレスを割り当てる構成(ビデオ端末には端末自体にPPPoEで対応し、フレッツ回線自体を直接接続できるものもあり)もあります。IPアドレスで運用する場合、ビデオ端末管理装置やインターネット接続装置を導入しないので機器費は下がりますが、インターネット回線を端末に直収している場合はBotなどによるスキャン攻撃を受けやすく、不正侵入を防ぐために特定のグローバルIPアドレスのみ通信可能とするなどのホワイトリストによる制限が必要になります。ホワイトリストによる制限は、接続先が増える度に新たにホワイトリスト追加登録が必要になり、設定作業が発生します。

インターネット上にある仮想会議室を使用するには、ビデオ端末からクラウド事業者が提供する範囲のIPアドレスで通信されますが、このIPアドレスの範囲はクラウド事業者の都合で変更されることがあり、その度にホワイトリストへの対応が必要となります。

今回はビデオ会議のインフラについて触れましたが、次回はクラウド指向を考慮したネットワークの動向について触れていきます。

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※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。