経営戦略

2019.03.25

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ネットワングループが目指す姿①~FY15-18の成果を振り返る

これからのネットワングループが目指す姿、をお話しする前に、今回は、直近の3カ年を振り返りたいと思います。

ネットワングループは2016年春に、2019年3月までの3カ年の中期計画を発表して、今年がその最終年度にあたります。当時のビジョンは、「利益成長を改めて最重要課題と認識し、継続した成長に向けた『自律した変革』に取り組み、顧客満足度と社員満足度の向上を図り、企業価値の向上を目指す」というものでした。

ご存知の通り、クラウドが登場し、システムインテグレーターとしての我々の立ち位置が激変する中、結果からお伝えすると、売上高、利益率共に堅実な成長を遂げました。中でも、利益率は1.7%(FY15)から最終年度6.5%(FY18)の成長計画を、6.9%と大きく上方修正しました。

 

システムインテグレーターからクラウドブローカー、クラウドビルダーへの変革


当時、ベンダー各社からハードウェアを購入して、お客様向けにそれらの機器を構築、保守する従来型のビジネスモデルは、SaaS、IaaS、PaaSなどのクラウドサービスの登場によってシュリンクする懸念が高まっていました。

その中でどのようにして継続した成長を実現するか、を考えたときに、我々は「システムインテグレーターからクラウドブローカー、クラウドビルダーへの変革」を目指しました。

言い換えれば、「お客様のクラウドを含めたICT基盤全体を提供する」ことを目指したわけです。

これまでのネットワングループの強みは、ネットワークに特化したスペシャリスト集団である、という点でした。しかし、グローバルでAWS、マイクロソフトといったクラウドサービス事業者が台頭する中では、我々はオンプレミスのハードウェアのみならず、クラウドサービスを含めた技術的な知見を持ち、お客様に安全に提供する、という、「事業ドメインの幅を広げる」必要に迫られたわけです。

もう一つ、ネットワングループの経営ビジョンは「すべてのステークホルダーから信頼され支持されるアドマイヤード・カンパニーになること」です。

我々はお客様からどのように見られているのか、そしてどうあるべきなのか、を真剣に考えた結果、もう一つのチャレンジは、「ほんとうに価値のあるICT利活用とはなにか、自ら実践して、そのエクスペリエンス(経験)を提供しよう」ということでした。

そのために実践したのが、「働き方改革」です。

 

 

「働き方改革」実践とデータの公開による、お客様との関係性の変化


政府の推進もあり、多くの日本企業がICT利活用による働き方改革を目指しています。我々は2010年からいち早くそれに取り組み、確かな成果を上げました。

当時の「働き方改革」の目指すべきとされた姿は、グローバルベンダーが語る綺麗なプレゼンテーション、ストーリーが大勢を占めていました。しかし、その「生産性の向上」のリアリティに、疑問を抱く日本企業が多く存在したのも事実です。

裁量労働制が浸透している欧米とは異なる日本において、在宅勤務を含むフレキシブルな労働時間をどのように管理、評価するのか。営業職だけでなく、スタッフ部門はどう捉えたらよいのか。労働基準法、組合への対応や、人事制度をどう考えるべきなのか。

我々はそれらの課題をひとつずつ、全社をあげて取り組み、そしてそこで経験した難しさや成果を、書籍化して公開しました*。その中にはミーティング時間や移動時間、残業時間、通信コストなどのデータも、生々しく、フル オープンにしたのです。

 

*「働き方革命の教科書」 (日経BPムック/2016年3月刊行):2010年から働き方革命を実践してきたIT企業、ネットワンシステムズが監修、自ら実践で磨いてきた働き方革命のノウハウを余すところなく紹介した1冊

 

この書籍およびネットワン働き方改革特別サイトで公開した数々のデータは、大きな反響がありました。「ネットワン、変わったね」という声も多く聞かれました。我々自身の経験を公開して、日本企業における働き方改革の道筋を具体的に示したことで、お客様との密接度、カスタマーインテマシーを高めることに成功したのです。

 

 

お客様のクラウド利活用を推進するサービス「クラウドHUB」と「MSS」の提供


前述の通り、クラウドの登場により従来型のインテグレーションビジネスはシュリンクすると予想されましたが、結果としてはそうはなりませんでした。

当時、我々はまず、クラウドにおける自社独自のサービスを作りました。プライベートクラウドとパブリッククラウドをセキュアにつなぐ、マルチクラウドの運用手法として「クラウドHUB」を開発、サービスとして提供を開始しました。

企業におけるクラウド活用が進む中、管理側ではどの事業部がどのくらい使っているのか把握できず、それらのセキュリティをどのように担保するのか、というガバナンス面での課題が顕在化してきていました。「クラウドHUB」はまさにその懸念を解消するソリューションです。前述の通り、当初はサービスとして提供しましたが、自社内に構築して自社で運用したい、というご要望が予想以上に多く、結果としてインテグレーションとしてのビジネスも加速させる結果となりました。

 

もう一つ、単なるファイアウォールや強靭化だけではなく、運用も含めた「マネージドセキュリティサービス(MSS)」の提供も開始しました。MSSは、お客様環境に設置された監視対象機器から出力されたログをリアルタイムに監視・分析し、当社のアナリストがセキュリティインシデントと判断する事象が確認された場合、お客様に電話及びメールによる通報を行い、脅威への対策をご提案する、というサービスです。

これらは、当初掲げた「お客様のクラウドを含めたICT基盤全体を提供する」という目的を実現するための、サービスメニューの拡充です。

 

このようにして我々は、この3年間で

  • 事業ドメインの幅を広げる
  • 真のICT利活用の実践データを示してステージを上げる

という活動を通じてカスタマーインテマシーを高め、結果として増収、増益という成果を達成したのです。そして、これからの3カ年は、それらをさらに進化するステージに進むことになります。

そのキーワードは、「働き方2.0」と「統合サービス事業」です。

 

これについては、次回②で詳しくお話しします。

 

※本記事の内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織の見解を代表するものではありません。